キプロスのFX業者が提供する2万ユーロの補償と海外FX業者の信託保全について

このページでは、日本国内のブローカーの信託保全と海外の信託保全の比較、そしてキプロスのブローカーが提供する2万ユーロの補償について解説します。

日本のブローカーの信託保全について

信託分別管理とも言われ、FXブローカーの固有の資産と顧客が預け入れした資産を分けて管理しましょうという制度です。

顧客の資産を分別保管させないとFXブローカーが自社の資産と一緒に投資することができてしまい、破綻した際にFXブローカーだけでなく顧客にも金銭的なリスクが及ぶことを避けるためのものです。

※多くのFXブローカーは取引の仲介だけでなくブローカー自身も市場で取引を行います。

これにより、違法なことがない限り顧客の資産は上限なく「安全地帯にある」と言えます。しかし、どこにも補償されるとは書かれていません。

どういうことかというと、銀行の普通預金であれば預金保険として1人1000万円を上限として保護されています。この場合銀行に1円も無くても保険により1000万円は返すことができますよということですが、FXブローカーの分別保管が異なる点はこういった預金保険の効力がない、ということです。

したがって、万が一信託銀行に預けていた顧客資産がなくなっていたり(誰かの不正行為などにより)、不足していたりすると全額返って来ない可能性があるということです。銀行でさえ上限1000万円なのに証券会社が1億や10億を補償できるわけがないということです。

信託分別管理の法律が厳しくなってからはFXブローカーによる不正流用など起きておらず、資産が返還されなかったというケースはないはずですが、理論上はこういうことだということを覚えておきましょう。

海外FX業者の場合はどうなっているのでしょうか。

キプロスブローカーの分別保管と投資家補償基金について

XMFxProなど現在キプロスの海外FX業者は人気ですが、キプロスのFXブローカーは投資家補償基金に加盟する義務があります。この投資家補償基金により、加盟しているブローカーを利用しているトレーダーは最大2万ユーロの補償を受けることができるというものです。

2万ユーロ(約270万円)以下しか入金していなければ安全、というのは間違いではありませんが、2万ユーロしか信託保全していない、2万ユーロ以上返ってくる可能性はないというのは間違いです。

キプロスと聞くとあまり良いイメージを持っていない人は多いですが、顧客資産を分別保管することは法律で義務付けられています。そのため返還する資金がなくなっていなければ上限2万ユーロというのはありません。(破綻しても2万ユーロしか返さなくてもいいとなってしまいますから)

ではなぜ、投資家補償基金が存在するかというとFXブローカーの不正などに対する保護になっており、投資家補償基金による2万ユーロの補償は第三者による補償(ブローカーが払うものではない)なのです。

ですのでキプロスのFXブローカーが破綻すると、顧客資産に手を付けられないように外部の特別管財人が顧客に資金を返還する手続きを進めることになります。有名どころではKPMGなどがあります。

2万ユーロまでしか補償されないケース

分別保管により会社の運営に必要な経費などに顧客の資産が使われることはありません。しかし、カウンターパーティーとして取引している銀行などに対する支払いには使うことができます。

例えばある顧客が100万の利益を出した場合、カウンターパーティーは100万円の損失となりブローカーは100万円を受け取り顧客の資金に追加します。逆にある顧客が100万円の損失を出した場合はカウンターパーティーに顧客の資産から100万円を支払います。わかりやすい取引の仲介ですね。

こうすることで、理論上は常に顧客の口座の残高と同じ資金量がブローカーにあることとなるため、万が一破綻しても不足することはないはずです。

しかし、Alpari UKやLQD Marketsのように、スイスフランショックで顧客が多額の損失を抱えてしまった場合、カウンターパーティーへの支払額が全顧客資産の預かり額より多くなってしまいます。(=残高がマイナスになったトレーダーが大量発生)

海外FX業者は追証がない、というより取り立てができないためカウンターパーティーへの支払い不足分は最終的にブローカーが受け持つこととなり、なおかつそれを支払うことができなかったため一夜にして破綻+顧客資産の消滅ということになったのでしょう。スイスフランショックで被害がなかったトレーダーからすればいい迷惑です。

トレーダーの取引結果による資金移動

上記Alpari UKとLQD Marketsはキプロスではなくイギリスで許認可を得たブローカーですが、イギリスでもキプロスと同じような第三者補償(最大5万ポンド)が存在するので基本的な仕組みは同じです。

このことから、同じ破綻でも経営がうまく行かず、利益を出せずに破綻するとなった場合、上記のように顧客資金が消滅することはないため2万ユーロだけでなく全額出金することは可能になります。それまでに別のブローカーへの身売りとなる場合も多いです。

2万ユーロの補償はAlpari UKのようなケースや、会社が不正に顧客資金に手を出してしまった場合にのみ発生する最後のセーフティネットというわけですね。

最後に

同じキプロスのブローカーでもFxProなどの有名どころがなぜ推奨されるかというと、それなりの規模の会社は広めのスプレッドで利益をしっかり確保し安易に安値競争に走っておらず、また破綻前に別のブローカーに買収されるなどの見込みがあるからです。小さい無名のブローカーが大手に吸収合併されることなんて無いですからね。

これまでに、FXDDがアメリカ顧客をFXCMに売却したり、FXCMジャパンが楽天に売却したりとありました。こういった場合顧客は資金を出金する必要がなく取引を継続でき、もし出金したければ問題なく行えるのです。

海外FX業者はどこも同じではありません。破綻を心配するのであればしっかりしたブローカーのみ利用するようにしましょう。資金が多ければなおさらです。

1 個のコメント

  • 派手さがなく、情報がしっかりしていて好印象です。こちらを拝見して私も人のためになれるよう心がけたいと思いました。今後もご活躍を願っています。

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